墓地についての基礎講座

寺院墓地

寺院墓地とは、いわゆる宗教団体が主体で経営などを行う墓地のことで、日本においてはお寺の境内にあるお墓などがこれにあたります。墓地がお寺の境内にあるため、住職や僧侶によって管理がなされることになり、法要などの面でもその寺院の宗派などにしたがって行うことで確実に供養が行われるという安心感があるのがメリットです。寺院墓地は日本で伝統的に行われていた墓地の形態だといえるでしょう。
もともとは、寺院墓地はもちろん寺院に対する信仰がそのベースにあり、地域において住職は信仰の中心でもありました。地域の人はその寺院の檀家となり、寺院に寄進や協力を行うかわりに、寺院の敷地内に墓地を設けてその管理を寺院に依頼し、供養などが行なわれます。檀家は家と寺院の契約であって、お墓や檀家としての役割は代々引き継がれていくものでした。また、住職は墓地の供養や法要をおこなうだけではなく、檀家の人々の相談に乗ったり説法を行ったりと精神的なよりどころとしての役割も担っており、日本独特の地域社会の中心ともいえる存在でした。しかし、現在は少子化や核家族化によって日本の家制度そのものが薄れていく傾向があり、檀家としての寺院との関わりも変わりつつあります。現在では檀家といっても宗教的な意味合いは少なくなり、寺院墓地とはいっても宗派の違いは問わないというとこもでてきました。宗教としての寺院というよりは、墓地を管理して先祖の供養をしてもらうといった意味合いが大きくなっているのも事実です。
檀家になって寺院とかかわりを持つということは、もちろん金銭的な負担をはじめ行事への協力など負担をすることも増えますが、やはり寺院内に墓地があるというのは供養の面では安心感がありますし、先祖代々伝わるお墓に入って子孫から供養されるというのは個人にとっては幸せなことではないでしょうか。人口が密集する都市部などでは失われつつあるといわれる檀家制度ですが、地方ではまだまだ主流となっているところも多く、地域社会のベースとなっていることも少なくありません。

 

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